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2006年04月07日

人的資産の評価 

現状の財務諸表は企業の実力を本当に正しく反映して
いるのでしょうか?

例えば、利益で会社を判断する場合、1億円の利益と
500万円の利益を出している会社を比べると、
明らかに前者の方がいい会社と思われますが、仮に
前者が売上高10億円の会社、後者が売上高が5000億円の
会社だとしたら、後者の方が大きくていい会社である
とも言えます。

今の財務諸表では、単純に両者を比較するのは難しい
かもしれませんが、財務諸表に、その期末にいる従業員
に支払った総給料額を明記するようにすれば、その会社
の人的資産価値が数字に出てくると思います。

事業をするのに、人・物・金が重要と言われていますが、
バランスシートには、物・金の情報は出てきますが、
一番重要と言われる”人”の情報は一切出てきません。

その会社の資産としてどのような人がいて、どのような
能力がある人がいるか、会社はその人に対してどれだけ
お金を支払ってきたかというようなことは、どこを
見てもわかりません。

それらの情報が会社のバランスシートにはが表記されて
いないので、会社の本当の資産価値、新しい人を雇うのが
安いのか、それとも今まで会社で教育し会社の仕事を
覚えてきた人を継続して使った方がいいのかの判断が
できません。

人事部の人が単純にその会社に働いてきた人と、新しく
入ってくる人の給料額だけを単純に比較して、今いる人を
辞めさせた方がいいと結論付けると誤ります。

仮に平均年収600万円の人が20年会社に勤めていた
とすると、その会社はその人に対して1億2000万円の
投資してきたことになり、それは会社の人的資産として
計上されるべきです。

最初の例で言うと、前者の会社の期末人数が10名、
後者の会社の期末人数が5000名として、前者の
従業員の平均年数が5年で、その間の平均給料が
400万円で、後者の従業員の平均年数が25年で、
その間の平均給料が600万円とすると、人的資産
価値は前者が2億円に対して、後者は7500億円と
いうことになり、人的資産価値がクリアーになります。

個々の会社がこの資産価値を算出するのは大変で、総務
担当者の負担は増えますが、やろうと思えばできますので、
これらの過去の投資も考えて、会社の資産価値・人事
政策をとることが重要ではないかと思います。

私が提起している問題点は、財務諸表にはその期の会社
の資産価値を表すものなのに、一番大切な現在いる
従業員の価値が反映されていないのではないかということ
です。

これから外国企業が株式交換で日本の会社を買収する
ようになりますので、会社買収や合併が増えることが
予想されますが、この辺りの数字を把握し、分析し、
それを経営活動や投資に活用できないと、大きな誤りを
引き起こすことになります。

この辺りの計数化とその把握がグローバル社会の鍵と
なると思います。

posted by Mark at 00:00| M&A基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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